2016年2月8日月曜日

日本で最初のゾンビ?!あるいは日本式フランケンシュタインの謎を追え! japanese zombie!

 こんにちは。日本の歴史の変なところをツツいているeineです(^^

 先日から、このブログの姉妹ブログの「名字まにあ」のほうで、佐藤さんの名字のルーツについて調べていたのですが、その中で、



 かなーり気になる変てこな話



を見つけてしまったので、今日はそんな話を。


 なんと!日本で最初のゾンビ・フランケンシュタインのお話です。


 

 そのお話、もともとは佐藤さんのルーツを調べていたときに、ネタが上がってきました。



 佐藤さんのルーツ
  http://myoujimania.blogspot.jp/2016/01/blog-post_29.html


 この中に、歴史上の有名人「西行法師」という人がいるのですが、この方にまつわるこんな話があるのです。





 撰集抄「西行高野山において人形をつくる事」(第5)



” 西行が高野山の奥に住んでいたころのこと。

 友人が遠くへ行ってしまってさみしくなったので、風流を理解してくれるトモダチがほしいなあ、と思って鬼が人骨を集めて人を作るように、トモダチを作ってみようと考えるようになった。


 作り方の術は、人から聞いていたので、野原で骨を拾って並べて作ってみたが、人間の可たちのようで、やっぱりどこか違う。

 声は楽器が鳴っているようだし、壊れた笛がひゅーひゅーなるだけのように声を出すだけだった。

 
 ぶっちゃけうまくいかなかったので壊してしまおうとも思ったが、それも人殺しみたいだし、結局高野山の山奥へ連れて行ってほったらかしにしてしまった。


  あとで、伏見中納言に、うまい人造人間の作り方を尋ねたら、私のやった方法をひとしきり聞いた後、


「だいたいOKだけど、香を焚いたら仏の功徳で魔物が逃げてしまうので、香をつかわず沈と乳を代わりに焚けばうまくいくよ」


と教えてくれた。


 まじっすか。”





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 訳は、eineさんの超訳です(^^;


 西行法師は、本名を佐藤義清という武士で、平安末から鎌倉時代にかけて活躍しました。

 藤原姓武士の総本家である、藤原秀郷の9世孫だそうなので、かなり本流の藤原氏ですね。


 もとは鳥羽上皇の北面の武士でもありましたが、出家後は放浪の旅に出たそうで。


 「撰集抄」は、西行作とされていますが、実際には作者不詳だそうです。




  ・・・とまあ、ここまでは歴史マニアとしては入門編ですね。


 ここからはちょっとだけ背伸びして大学レベルのお話を添付しておきます。



岩手大学教育学部研究年報 より 中村一基さんの論文

 「中世の人造人間説話の変容をめぐって」

 http://ir.iwate-u.ac.jp/dspace/bitstream/10140/1769/4/erar-v61n1p98-106.pdf
 


 こちらの論文では、西行の人造人間(ゾンビちゃん)の話にいくつかのポイントがあることを教えてくれます。



1)高野山に納骨する風習があり、それを西行が担当していたらしいこと。


2)反魂の術、というアンチ仏教的なワザ(おそらくは陰陽的な?)があったこと。



 また、論文には、安倍晴明が死んで復活する話や、芥川龍之介の”羅生門”に出てくる老婆が髪を抜こうとした遺体の話まで、死者と人造人間についてのいろんな考察が出てきます。


 ちょっとおもしろい(^^



 ちなみに、どうしてもゾンビを作りたい方は、


 早稲田大学さんのページ

 

http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he12/he12_01708/index.html


がよみやすいほうだと思われます。うふふ。

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